フランス生産者訪問記
2025年7月にフランス各地の生産者を訪れました。訪れたのはシャンパーニュ、シャブリ、ブルゴーニュ(ボーヌ)、ボージョレ、ジュラ、アルザスとぐるっと一回り。
生産者さんの話を聞きながらの試飲はまさしく極上のひと時で、毎日が楽しくあっという間に過ぎていきました。栽培や醸造に関する考え方や実践方法は、その土地、気候、歴史、さらには将来への想いによって様々だと痛感しました。
この訪問記を書くにあたり、少しでもその想いをお伝えできたらいいなと思います。
ブルゴーニュ ≪フィリップ・パカレ≫≪レノ・パカレ≫
続いてフィリップ・パカレのワインへ移りました。
フィリップさんの指示でレノさんが、次々と樽からワインを注いでくれます。
すべて2024年のバレルテイスティング。
赤から白へ(白から赤ではありません)と試飲は進んでいき、ワイン一つ一つにコメントが添えられていきます。
※試飲しながらそれぞれのワインについてコメントがなされていきますので、以下私のメモの羅列になりますがお許しください。
①
コルナス
花崗岩。シラー。12.8%。元々シラー好きで畑を手に入れた。
②
コート・ロティ
全房発酵。やさしい抽出。太陽は当たるがそれほど暑くない畑。
③
ムーラン・ナ・ヴァン
ピンク色の花崗岩。セミマセラシオンカルボニック(昔ながらの作り方)。
ボジョレーのロマネ・コンティ。熟成する。
④ ラドワ
⑤
ボーヌ マルコネ1er
淡い赤。石灰岩が多いと色が薄くなり粘土が多いと濃くなる。色はその土地の個性をを教えてくれる。
⑥
ニュイ・サンジョルジュ
石灰岩。ヴォーヌ・ロマネの近く。造り方はどのワインも全部一緒。
⑦
ジュヴレ・シャンベルタン
粘土と石灰岩。樽の強い味わいは樽が表面に出てしまうので好まない。
時間とともにワインの本質が現われてくる。
「赤ワインは料理、白ワインはお菓子作りと一緒。料理はアバウトにできるがお菓子は繊細できちんと作らないといけない」
⑧
ポマール
南に位置する丘にあるのでスパイシーでアルコールの強いワインができる。
濃い色。石灰の岩盤で味わいの強さが出てくる。
「ワインは飲まれて初めて売れたと言える。」(転売云々の話しの流れで)
⑨
ポマール ルジアン(Rugiens)
パカレが持つ一番古い区画。アドロミーという鉄を含んだ赤い土。
樹齢120年。プルミエクリュの価値がある畑だがそうではない、そのお陰で安く出せる。
マグネシウムが多い岩盤質の土壌だが割れやすいので根が深く入る。
少し赤い土壌。力強さが出てくる。
⑩
ヴォーヌ・ロマネ
一見樽のように見えるニュアンスは茎からくるもので、オリエンタルな感じがある。
「ヴォーヌ・ロマネはおいしいでしょ!」
⑪
ヴォーヌ・ロマネ オート・メジエール
クロ・ド・ヴージョとエシェゾーの間の区画でプリューリ・ロックの時に10年間携わっていた畑。ヴォーヌ・ロマネには混ぜない。粘土質。熟成するワイン。
⑫
ニュイ・サンジョルジュ アルジラ1er
化石が出る。石灰岩。淡い色合い。
⑬
ポマール エプノ
粘土、石灰岩。新樽を使うと土地の香りが消えるので使わない。
⑭
ポマール シャルモ
エプノに近いテラスになっている畑。石灰岩。エプノに比べると真面目。
⑮
シャンボール・ミュジニー センティエ1er
ボンヌ・マールの近く。香りが一番女性的なワイン。
1樽のみ。奥様のモニカさんがシャンボール大好き。
⑯
ヴォーヌ・ロマネ プチモン1er
リシュブール、ロマネ・コンティの近くの畑。
⑰
ヴォーヌ・ロマネ ショーム1er
粘土が少ない土壌。いつもは5樽ほどできるが今回は1樽しかできなかった。
⑱
コルトン・ブレッサンド
粘土石灰岩。樹齢80年。
⑲
クロ・ド・ヴージョ
粘土質。ヴォーヌ・ロマネに向かっていく畝。クロ・ド・ヴージョには三つの土壌がある。
⑳
エシェゾー
石灰岩と砂質。水はけがよい。土は一見赤くみえる鉄分が多い。
㉑ リュショット・シャンベルタン
修道院が所有していた区画。ブラジルのピタンガの香り(フランボワーズよりスパイシー)。

※ここから白に移ります。
㉒ コート・ド・ニュイ ブラン
今年初めて造った。いつもは泡にするところ。コンプランシャという区画。3樽。
㉓ ラドワ ブラン
3樽。シャルドネはしっかりと仕事をすれば熟成するワインができる。
ワインを活性化するための作業で、樽を転がして澱を攪拌したばかりを試飲。澱は大事。
「樽の形は生命の形。澱は胎盤のようなもので赤ちゃんに栄養を与えている。」
㉔ サン・トーバン
石灰岩。コンボッシュというシャサーニュ・モンラッシェに近い区画。
㉕ ムルソー
㉖ ムルソー ナルゴー
石灰岩。ピュリニー・モンラッシェに近い山の方。澱が土地の味わいを出す。
㉗ ムルソー シャルム1er
美味しい白は5年かかる。
㉘ モンテリー シャトーガイヤール1er
ちょっと貴腐が入ってる。澱があることで酸素を吸い、わざと還元的にすることで、SO2を使わなずにすむ。この時期はおいしくない時があるが、それを何度か繰り返して状態が良くなっていく。
赤とは違って、白は細かく見ていかなければならない。
㉙ ピュリニー・モンラッシェ
石灰岩。ニュイ・サンジョルジュみたいにオーバル(卵)型に感じるワイン。
サシャーニュ・モンラッシェは角ばっている。ムルソーは丸い。
㉚ ピュリニー・モンラッシェ 1er
白の状態がバラバラなのは樽発酵が終わってないものもあるから。
赤はすでに終わっているのでおいしい。
㉛ シャサーニュ・モンラッシェ ヴショット1er
石灰岩。傾斜のきつい、バトニアン(ジュラ紀)時代の土壌。フローラルな香り。
㉜ シャサーニュ・モンラッシェ モルジュ1er
1週間前に樽を転がした。
㉝ コンドリュー
コンドリューはモニカさんが大好き。14%。
ヴィオニエは重くて香りが強いので、マセラシオンを長くして苦みを抽出。
㉞ バタール・モンラッシェ
粘土質。
㉟ コルトン・シャルルマーニュ
新樽は良くない。ぶどうと土壌の味を大切に。
フィリップ・パカレのワインは土地の個性を重視しているため、白、赤それぞれどのキュヴェも同じ造りをしている。白は全房でゆっくりとプレスし樽発酵。赤は全房でセミマセラシオンカルボニックをピジャージュしながら行う。
最終的にワインの味は土壌や土地の味に集約されると考えているので、樽を使った余計な風味付けを嫌います。シンプルで分かりやすく、ワインの説明も明快で気持ちがいい。その考えは息子のレノさんにも受け継がれていくものだと、お二人の様子を見ていると容易に想像ができました。
なかなか飲む機会が無いフィリップ・パカレを35種、メゾン・レノを含めると39種類ものバレルテイスティングでき、貴重な経験となりました。ただ、とにかくペースが速い。最後は試飲疲れでコメントをメモする量が少なくなってしまったのが残念でした。
その後、奥様も参加してパカレ家の皆さんとカーヴの2階でランチです。試飲中の緊張感から解放されてたせいか、ついついグラスが進んでしまい、最後のマールでいい感じになってしまいました。
試飲から数えて47種になりました(笑)。とてもとても楽しい訪問となりました。
・ビュル
・シャトー・マルエルブ 白 プロヴァンス(南仏で造るコラボワイン)
・ムルソー 1erペリエール
・シャトーマルエルブ ロゼ プロヴァンス
・メゾン・レノ メルキュレイ 赤 2023
・コルナス
・ニュイ・サンジョルジュ 赤 2023
(写真左から)フィリップ、奥様のモニカさん、レノ

コメント