ドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサール2021

今年で13回目を迎える「ドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサール2021試飲会」。 輸入元のヴァンクゥール様、社長の有馬雄一氏、フランス在住でバイヤーの村木慶喜氏をお迎えして、最新の現地情報をたっぷりとお話しいただきました。 ご参加いただきましたお客様に感謝いたします。


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(左)弊社社長(中)有馬氏(右)村木氏 



今回は、ウェルカムドリンクにスペインのヴィンテージスパークリングをはじめ、6種類のドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサールのワインと、おまけワイン2種、合わせて9種の試飲になりました。
まず、アリゴテのペティアンを味わいながら、1つ目のテーマのお話しです。
「かつての良きブルゴーニュを想起させる、酸に恵まれたヴィンテージ!!」2021年の特徴。

この年は、ブドウが晩熟で春の遅霜と病気の蔓延、雹の被害の三重苦に見舞われた厳しい年でした。過去50年間の中で一番収量の少ないミレジメでしたが、収穫日はほぼ好天に恵まれたのもあり、ブドウの品質においては、白赤共に酸が多く、また収穫を待つことができたおかげで、フェノールもしっかりと熟したそうです。※フェノールとはワインの香味、色調などに関与する重要な成分。

2020年が太陽からのエネルギーを受けたボリューミーなワインだったのに対し、2021年は大地からのエネルギーを受けた、涼しい酸とミネラルが豊富なワインに仕上がりました。厳しい気候に対峙し、それを乗り越えた、生産者にとっても思い入れ深い記憶に残る年だったことでしょう。

この話しを聞いて実際に2021年VTを飲んだら、2020年VTの果実味豊かで親しみのある味とは異なる、アルコール度数の低くエレガントな酸に驚かれることと思います。

2番目に試飲したのは、ドメーヌ・シャソルネイのフラッグシップワインであるサン・ロマン コンブ・バザン。生き生きとした酸のある白ワインで、果実味の控えめなミネラルワイン。
お伝えした通り、2021年VTはアルコール度数が低いのもあって、少しそっけないぐらい地味な雰囲気を持っていますが、このワインのブドウが植る石灰質土壌のミネラルが、熟成によって何ともいえぬ魅力に変化するそうです。
ブルゴーニュのシャルドネの魅力は、まさにここにあるのではないでしょうか。但し、ミネラルが本領発揮するまでに5年以上は寝かせなくてはなりません。

その辺を踏まえながら、その後も試飲は進み赤ワインへ。
2021年の赤ピノ・ノワールは収量が少ないながら、どのキュヴェも果実味が艶やかで酸がキュートな自信作と聞いてワクワク。

そんなフレッドの赤ワインの中でも、ポマールが断トツの好印象!私だけではなく、他のスタッフやお客様からも人気だったため、購入希望者同士でのジャンケン大会となりました。
好みは人それぞれですが、このポマールは1級 レ・ペズロールのブドウが入った高品質の村名ワインの上、大変希少。そして美味しい。みんな心惹かれるのも無理はありません。

試飲中は、それぞれのワインごとの味わいに加え、畑や醸造のエピソードの解説がとめどなく入ります。内容はまたの機会にして、とにかく、有馬氏と村木氏、その息の合ったお二人の掛け合いが最高!! また、お客様からは随所小さな声で質問が入って、さらにいい感じに盛り上がりました。

そして、おまけのブライトテイスティングでは、ヴァンクール様よりご用意いただいた貴重な特別ワインを、エチケットが目隠しされた状態で試飲しました。そのお味やセパージュは如何に?
沈黙の中、バックヴィンテージのサンロマンの白、シャルドネ?熟成香がある!などと、いろいろな声があがりましたが、みなさんはどのセパージュの何年VTだと思いましたか?

正解はネゴシアン・フレデリック・コサールの2016年ヴィンテージのサヴァニャンでした。
太く強めの酸味に、旨みのある熟れた柑橘系果実が魅力的で、もうちょっと飲みたかったです。欲を言えば、どこかのショップに売っていたら買いたい!そんな思いを隣に、別のスタッフは頷きながら、しみじみとサヴァニャンを味わっていました。 
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試飲ワインも終盤になり、おそらくお客様も1番気になっていらした、2番目のテーマ「ドメーヌ・ド・シャソルネイの未来」のお話しが始まりました。

 フレデリック・コサールは14歳の息子がおりますが、承継するにはあまりにも若すぎることがあり、また、自身の年を重ねるごとに感じる体力の衰えは、避けられない為、承継者を探していました。そこに白羽の矢が立ったのが、オート・コート・ドニュイにドメーヌを構えるオレリアン・ヴェルデでした。
フレッドにとって、テロワールをリスペクトでき、ビオにこだわってひたむきに畑に向かう努力家のオレリアンは、打ってつけの承継者候補で、また、オレリアンも、元々フレッドのワインのファンで、ドメーヌ ・ド・シャソルネイの2022年以降の権利関係はオレリアンに完全譲渡、2022年VTのシャソルネイは、現在オレリアンのアルセナンにある、ドメーヌで醸造されるそうです。
フレッドは、シャソルネイはアドバイザーとしての立場に退きましたが、ネゴシアン・フレデリック・コサールに関しては、今まで通りグラン・クリュの夢に向かって、サン・ロマンの醸造所で継続して行く予定。

噂では聞いていたものの、ビックニュースですね。
オレリアン・ヴェルデのワインは綺麗系で安定感があると認識していましたが、まさか、コサールの承継者になるとは!
きっと熱意や資質に、大事な運をも持ち合わせているのでしょう。
じわじわと彼のワインに興味がわいてきましたが、どちらにしても、偉大なるフレッドの最後のドメーヌものは、いくつか購入してじっくり味わなくては...。

その他にも、ワイン容器を、リモージュ磁器ベルナール社でつくらせたカブ型ジャーの話しや、バイオプラスチックコルクを試験的に使用しているエピソードなど、紹介しきれないほど、たっぷりとお話しいただきました。 


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【当日のワインリストはこちら】
1.泡)ラ・シャソルナード 2021
2.白)サン・ロマン コンブ・バザン 2021
3.白)サヴィニー・レ・ボーヌ ブラン ヴェルモ 2021
4.赤)サン・ロマン スー・ロッシュ 2021
5.赤)ポマール 2021
6.赤)モレ・サン・ドニ レ・シャン・ド・ラ・ヴィーニュ クヴェヴリ 2021
7.泡)マス・ベルトラン/ペネデス・クラシック・ペネデス・レゼルヴァ バルマ ブリュット・ナチュール 2013(参考商品)ウェルカムドリンクにて
8.白)フレデリック・コサール/サヴァニャン 2016(参考商品)おまけのブライントテイスティング
9.赤)オレリアン・ヴェルデ/ オート・コート・ド・ニュイ・ ルプリュレ ブラン 2021(参考商品)おまけ

 超がつくほどの綺麗好きで、ブドウの容器に対しての飽くなき追求する、道をつくる男フレッド! 今後の活躍も見逃せません。

ドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサールのワインはこちらから
オレリアン・ヴェルデのワインはこちらから

最後になりますが、ご参加いただきましたお客様、ありがとうございました。
ヴァンクゥールの有馬社長、村木氏、名コンビでの最高に楽しいお話しを、ありがとうございました。 また来年も楽しみにしております。

銀座カーヴ・フジキ
スタッフ