ドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサール2018

大変お待たせ致しました‼
「ドメーヌ・シャソルネイ&フレデリック・コサール2018試飲会」を今年も開催いたしました。

カーヴ・フジキは3月から試飲会を自粛してまいりましたが、これだけは外せませんっ!ということで
新型コロナ対策を万全にして何とか実施いたしました。
ご参加いただく人数も例年より大幅に減らし、検温、消毒の徹底、換気、ソーシャルディスタンスに加えて衝立を用意して、安心・安全に努めました。

↓↓飲食店のような設えになってしまいました(笑)↓↓

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今回のご案内役はいつもお馴染みの池谷太輔さん
輸入元の有限会社ヴァンクゥールの社長さんであり会社を立ち上げる前は、ご自分でもフランスでワイン造りを経験されているナチュラルワインのエキスパートであります。


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≪脱木樽≫
さて、2018年ヴィンテージ、コサール氏はワイン造りに大きな変更を致しました。

コサール氏は以前から木樽を使用することに疑問を持っていました。コサール氏が目指すのはその土地をぶどうに表現させて、そのぶどうを使ってピュアなワインを造ること。
気になっていたのは、樽はピュアなワインに何かマスキングする影響をもたらしてるのではないだろうか?と。さらには樽汚染回避のために4年に一度交換していた樽に使われる木材量のことを考えると本当にこれでいいのか?と。

そこで、卵型のコンクリートタンクを導入する計画を立てていました。
ちょうどその頃、コサール氏はジョージアを訪れます。そこで飲んだクヴェヴリを使ったワインに大きく心を動かされます。そしてその場でクヴェヴリを10壺注文したということです。


ということで、今回のテーマは容器の違いによるワインの味わいの違いを試してみることです。
※フレデリック・コサールはネゴシアンのシリーズです


フレデリック・コサール ブルゴーニュ ビゴット 2018
②フレデリック・コサール ブルゴーニュ ビゴット クヴェヴリ 2018
ドメーヌ・シャソルネイ サン・ロマン コンブ・バザン 2018
④ドメーヌ・シャソルネイ サン・ロマン コンブ・バザン クヴェヴリ 2018
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ご覧の通り、表ラベルは同じですが、裏ラベルを見るとクヴェヴリ使用ワインだと分かります


フレデリック・コサール ブルゴーニュ ブドー 2018
⑥フレデリック・コサール ブルゴーニュ ブドー クヴェヴリ 2018
⑦ドメーヌ・シャソルネイ サン・ロマン スーロッシュ 2018 (※木樽熟成)
ドメーヌ・シャソルネイ サン・ロマン スーロッシュ クヴェヴリ 2018

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卵型コンクリートタンク使用(⑦除く)とクヴェヴリ使用でそれぞれ対になっています。
もちろん畑、ぶどう、収穫時期は全く同じです。容器だけの違いとなります。

コサール氏はクヴェヴリを地中に埋めずに地上に置いて周りを土で覆いました。発酵中の温度は均一で外気温の影響を受けにくく、酸素の透過性が良いことが起因しているのか、発酵がスムースに進みました。ワインは果実感のテンションが今までと違い、大人しさが長く持続してテクスチャーは丸く、それでいて粘性は強く力強さもあります。また、粘土由来と思われる土やスパイスの感じもあります。
明らかに過去の造りとは違う次元に行ったと感じます。
これがクヴェヴリでの初めての造りなので、来年以降どんな顔を見せてくれるのかとても楽しみです。


<この後、フレデリック・コサール氏についての話へと進んでいきました>

ブルゴーニュという産地は歴史があり普通は代々引き継いだ畑を大切に守り、世界中にその伝統的な味わいを待っているお客さんの為にワインを造る生産者が多いのです。なので、あえてナチュラルワインを造る必要もありません。

そんな中、コサール氏はブルゴーニュで25年以上ナチュラルワイン造りをしています。周りからは「コサールはイカレテる」とか「やつはヤバイ」と言われてるようですが、他の生産者のようなしがらみもないので、挑戦ができるのです。すでに確立された地位があるのに56歳にして新たなチャレンジをするとは本当にすごいバイタリティで、ナチュラルワインの生産者仲間からも真似できない存在と言われています。


2019年までは木樽は少し残っていますが、2020年は木樽はほぼすべて売ってしまいました。もうすでに次なる容器であるフランスのリモージュ焼きという磁器に興味を持っているそうです。



<最後は今年の作柄情報を>

2020年のフランスは冬の休眠期を過ぎた後も霜がおりず、夏の暑さは穏やかでずっと暖かいまま収穫まで来てしまった年で、ブドウにとってはとても良い年になったので楽しみにしていてください。




以上、試飲会の報告でした。

人数制限のためご参加いただけなかったお客様、本当に申し訳ありませんでした。
自由に試飲ができる日が早く来ればいいなと思います。

尚、店頭には現在(2020年12月16日)シャソルネイとフレデリック・コサールの上級キュヴェも多数取り揃えております。年末年始用のワインはもちろん、長期熟成も可能ですので記念日などの際にぜひ華を添えてみてはいかがでしょうか。

池谷さんありがとうございました。少人数のためにいつもよりさらに内容の濃いお話を聞かせて頂いたけました。この場をお借りして御礼申し上げます。

藤木