こんばんは、スタッフ高橋です!
昨日11月18日、ムーゾン・ルルー・エ・フィスのセバスチャン・ムーゾン氏が2年ぶりに2度目の来店しました !

前回の来店レポートは「ムーゾン・ルルー来日イベントレポート」をご覧ください(^^♪

今回は試飲させていただきながら、ご自身の造るシャンパーニュについてはもちろん、現在のシャンパーニュにおける自然派についてもお話しを伺いました。
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ムーゾン・ルルー・エ・フィスはモンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ格付けの村ヴェルジーに本拠を構えるレコルタンマニピュランのメゾンです。
瓶詰を始めてから彼で4代目になるそうです。(それまでは農家でそこから数えると9代目とのこと!)

畑は4つの村に、100以上の区画に分かれて点在しています。

1997年からリュット・レゾネを実践し、2008年からはビオディナミへの転換を始めました。
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ヴィル・マルメリー(地図上ちょうど指をさしている場所)の土壌は50cm下からチョーク質で、ミネラルの宝庫となり、シャルドネに適しており、その少し北にあるヴェルズネイ寄りの畑は2m以上も重い粘土質が続きピノノワールに向いています。
モンターニュ・ド・ランスの中でも南側の骨格がしっかりなものに比べると、ムーゾン・ルルーは北東に位置し、繊細でエレガントな特徴を持ちます。
シャルドネもピノノワールもそれぞれ適したグランクリュを持つからこその品質の高さを感じます。

ドザージュが少なくてもふくよかな果実本来の甘みをもつのは、補糖をしないためにブドウが完全に熟してから良い時期を見計らって収穫するからこそ。
すべてのキュヴェを野生酵母で発酵しており、シャンパーニュにおいてはとても珍しいこと!
使用される酸化防止剤は極少量で、デゴルジュマン時に加えるSO2は残りやすいため、“プレス時のみ”というのにもまた驚きます。

シャンパーニュ全体33000haの栽培面積中、有機栽培の畑は300ha程度で、約全体の1%以下だそうです。
その中でもムーゾン・ルルーのようなビオディナミの畑は50~100ha程ではないかとのこと。
年々少しずつではあるけれど、全体の10~20haは自然な栽培に変わってきているそうです。
健全なブドウを作ろうという意識をもつ生産者が増えているとは、なんとも嬉しい話です!
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今回はfuhikiでは初めてお目にかかるロゼ1種、前回のイベントの時に試飲したヴィンテージ違いの白を2種テイスティングさせていただきました。
ナチュラルな造りをしているのに、SO2も少ないのに、この華やかで品があり洗練された味わいは驚きです!
彼自身、 酸をもって垂直な味のワインが好きとのこと。
ブドウのポテンシャルを生かし、バランスを取り、ナチュラルな造りでありながら美しい。
前回来店した際の試飲のときよりも更に美味しくなったと思われます。

その進化にfujikiスタッフも驚き、この二年間で何か大きく変わったことはあるか尋ねたところ、「自身が歳を重ねたことで、視野が広がったこともある。」とのこと。
「ビオディナミのやり方が樹に合ってきた」そうで、二年前に来店された際に試飲したときよりも、彼の目指している味わいやスタイルが反映されているように感じられました。

今後の彼の取り組みについてもお聞きしたところ、ソレラシステムを取り入れたシャンパーニュが来年2月にリリースとのこと。
SO2無添加のシャンパーニュも同時にリリースで、なんとも楽しみ!
セバスチャン氏は真面目で勉強熱心で挑戦的な印象を受けましたが、2010年のヴィンテージがそろそろリリースということは、前回来店された時からすでに、これらの製法でつくっていたことになります。
前回のイベントで「今後は消えゆく古代品種を守るため、シャンパーニュの古い品種を植え、その古い品種からもシャンパーニュを造りたい」と語ってくださったこともあり、彼の今後が楽しみです!
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テイスティングをしながらのお話も終わり、セバスチャン氏はfujikiのセラーをご覧になり、シャンパーニュの棚に並ぶ生産者友達のシャンパーニュを見つけ、「彼らは良い生産者だよ、良いチョイスだね!」と笑顔で褒めてくださりました(^^♪

「日本らしい白ワイン」をとのことで旭洋酒さんの“千野甲州”を買っていただきました。
前回買っていただいたルミエールさんのペティヤンは、まだ彼のカーヴで寝かせているそうです。
千野甲州もしばらく寝かせてから楽しんでいただけると嬉しいです。

終始穏やかな笑顔で丁寧にお話してくださったセバスチャン・ムーゾン氏。
お忙しい中本当にありがとうございました!

最後まで読んでくださった皆さま、お付き合いいただき本当にありがとうございます!
ムーゾン・ルルー・エ・フィスのシャンパーニュの入荷をお楽しみに(^^♪