フランス訪問も佳境を迎えました。
この日は朝一でルシオンへ向かい、南仏ヴァン・ナチュールのパイオニア、フラール・ルージュのジャン・フランソワ・ニック氏とドメーヌ・ヨヨのヨヨ女史のドメーヌを訪問しました。お二人は現在、共同のカーヴを使っています。
ニックさんはフランス最小の農業組合であるエステザルグの元醸造長。エステザルグのワインをナチュールに変えた立役者であり、若手の育成にも尽力されており、たくさんの生産者たちが彼の元を訪ねてくるそうで、ヨヨさんもその中のひとりだったそうです。
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お二人とも映画俳優張りのルックスと素敵な笑顔で迎えてくれ、憧れのスターに会ったような感覚で思わずテンションがあがります。

先ずはフラール・ルージュの畑を案内していただきました。
カーヴから10分ほど歩くと緑豊かな森の中にブドウ畑が広がります。ここは「ソワフ・ド・マル」というキュヴェに使われるグルナッシュの区画だそうです。
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この辺りは花崗岩の岩盤が多く、風の強い地域。畑の雑草は土中の水分が少ないため、枯れるそうです。
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訪問した日の週の頭に雹が降ったそうで、場所によっては30%くらいが被害を受けてしまったそう。
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上の方の果粒部分が少し雹でやられてしまっています。
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この時期は1日10センチ程度新梢が伸びるので倒れないように2か所くらい紐で結ぶそうです。
地域ごとに成長のスピードが違うのはもちろんですが、土壌や造り手さんの考え方によっても作業の仕方も異なるので今回の訪問でそれを実際にいろいろ見ることができ、とても勉強になりました。

そして、カーヴへ戻り見学&テイスティング。
カーヴの外観も中もいちいちセンス良くて溜息が出てしまいます(笑)。
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ルシオンは暑い地域の為アルコールが上がりすぎ酸がでないので収穫後は冷蔵庫で5℃くらいになるまで冷やしてから醸造するとのこと。また、伝統的な造り方だと発酵時の温度は35℃くらいまで上がるそうですが、彼らのところでは19℃くらいにコントロールしているとのこと。
それであんなにもエレガントでエアリーなのですね。
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ヨヨさんの畑には行けなかったのでパンフレットを見せていただきました。
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ヨヨの畑はバニュルスにあるため、ワインはより力強く、しっかりとした味わい。とはいえ、きれいな酸やミネラルもきっちり残っていて、しなやかな筋肉の健康的美人といったかんじで、それはまるでヨヨさんご本人の様。
フラール・ルージュとヨヨは造り方は全て同じだそうですが、そうとは思えないほど歴然とした違いがあり、“テロワール”と“造り手の個性”を実感しました。
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途中、ポトロン・ミネのジャン・セバスチャン・ジョアン氏も来てくださいました。彼らは家族のような仲間だそうです。彼のワインもまた、他のお二人とは違った、親しみやすさのようなものを感じる魅力あふれる味わい。

そして、ここからはヨヨさんお手製のお料理でランチタイム♪
スパニッシュオムレツやパエリアなど、スペインの近くならではのお料理が並び、素敵すぎる。
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綺麗でかっこよくてお料理も造れてさらにはワインも造っちゃうなんて、さすが、できる女は違うな~。。。
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素敵な人のところには素敵な人が集まり、ワインも磨かれていくんですね。

さて、次回は最終回。締めくくりにふさわしいあの人たちに会いにゆきます!


つづく