アルディッシュから南へ100km位でしょうか、モンペリエの先にあるヨットハーバー、ラ・グラン・モットがこの日の宿泊地。
P1070765
この辺りにあるレストランで翌日訪問するドメーヌ・モン・ド・マリーのティエリーさんとマス・ローのローランさんたちと夕食をご一緒しました。
P1070770P1070771
P1070772
海の近くなので新鮮な魚介料理が次々と出てきます。お肉続きだったので久しぶりの海の幸に舌鼓。
彼らの清らかなワインともよく合います。
このワインたちがどのような場所で造られているのか、気持ちが高まります。

P1070778
翌日、少し早起きしてせっかくのラ・グラン・モットをぶらぶら。早朝すぎてほとんどのお店はまだクローズ。。
でも、海辺を散歩してるだけでも優雅なひとときを味わえます。
なかなか来られない場所なのでもう少し長くいたい気持ちもありつつ、昨夜のヴィニョロンたちのもとへ。

P1070815
ドメーヌ・モン・ド・マリーのティエリー・フォレスティエール氏(冷静沈着な頭脳派)
P1070792
マス・ローのローラン・バニョール氏(気さくなお兄ちゃんキャラ)

モンペリエの北東、ニームの西側に位置するソヴィニャルグ村に彼らの畑とカーヴはあります。
彼らは美味しくて軽やかで自然で安いという4拍子揃ったワインを造っています。
元々エンジニアだったティエリーさんは大のナチュールファンでした。
しかし、市場が大きくなるにつれ、値段も上がっていく現状を危惧し、ワインは誰でも買える価格であってほしいという思いから立ち上がり、ヴィニョロンになることを決意したそうです。
元ソムリエのローランさんもその思いに賛同し、仲間たちと協力し、切磋琢磨しながらワイン造りを行っています。

朝までいた海辺の観光地とは一変、オリーヴやアーモンドなどの木々が茂る緑豊かな田舎町。
畑は更に山の中にあり、ここからはバスが入れないのでティエリーさんがトラクターの荷台に干し草の塊を敷き詰めて椅子代わりにしてくれ、それに乗って向かうことになりました。
P1070783
ドナドナが聞こえてくる(笑)

周りをガリーグ(低木の林。ローズマリーやタイムなどが自生する)に囲まれた舗装されてない獣道のような道を走ること10分ほど、わさわさと育つブドウ畑が広がります。

P1070806P1070791
P1070803
前日のアルディッシュと比べると、この辺りは気温も高く、日光量も多いのでブドウは既にかなり大きく成長しています。
P1070805
P1070817
この辺りは古木のカリニャンやサンソー、アラモンといった品種が残っている地域。
ティエリーさんがこの土地でワイン造りを決めたのも古木のブドウに注目したからだそう。
普通の大量生産のデイリーワインを造っている人たちには見向きもされなかった品種が彼らにとっては無限大の可能性を秘めた宝の山なのです。
P1070790
水はけのよい土壌で根も深く入っていきやすいそうで5~6m下には粘土岩盤質になるため保湿性があります。さらに下には岩盤があるためミネラル豊か。また、周りのガリーグやオリーヴの樹もワインに複雑味を与えています。
日差しは強いですが冷たい風が吹くため涼しさもあり、酸もしっかり残るブドウになるそうです。


P1070830P1070833
ティエリーさんのカーヴに戻り、醸造所見学&軽くテイスティング。(前夜に彼らのワインはしこたま飲んだので)
このカーヴは250年前に建てられたカーヴだそうで、100年前のコンクリートタンクもあります。
現在はローランさんと共同で使っていますが、手狭になってきたということで近いうちに畑に向かう途中にあった建物にローランさんのカーヴを造るそうです。
P1070836
P1070834
中央は仲間のオリーヴ農家のオリヴィエさん

心揺さぶられるワインも大好きだけどこういう気取らず、普段の食事に合うワインも大切。
一消費者としても彼らの理想とする「美味しくて軽やかで自然で安い」という4拍子揃ったワインを造り続けて欲しい!
ラングドックは「デイリーワインの工場」的イメージがいまだに強いですが、
近い将来、彼らが「デイリーワインの工房」に変えてくれるかもしれません。

さて、次はティエリーさんたちとはまた違ったベクトルからラングドックに新風を巻き起こしているレスカルポレットへ!
つづく